ンドゥイヤ。カラブリア州を代表するサラミの歴史とか生産地とか。

2016-06-29
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豚肉州カラブリアを代表するサラミ・ンドゥイヤについてまとめ。
ンドゥイヤって何?からはじめましょう。

  1. ンドゥイヤって?
  2. ンドゥイヤの歴史
  3. 生産地

1.ンドゥイヤって?
「'duja」と書きます。アポストロフィーから始まり、しかも「j」まで付いてるイタリア語っぽくない名前のサラミ。豚肉の加工品です。(お腹と背中の肉とラードなどが使われます)

激辛大好き州・カラブリアなので、保存料として唐辛子と塩が使われています。
唐辛子は生産地スピリンガ近所のMonteporo産限定が本場中の本場レシピ。豚さんも自家製豚が基本。
少なくなってしまった感のある伝統を守る工房では、現在でも保存料は無し+唐辛子はMonteporo産に限ってンドゥイヤ製造が続けられています。

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↑燻製部屋に並べられたンドゥイヤ。燻製は乾燥させた木材(オリーブの木など)を使います。

燻製・乾燥・熟成の手順を経て作られ、冷蔵庫の登場までは冬に作られ初夏の麦の収穫祭の際に食べられたご馳走でした。
現在は湿度/温度管理された冷蔵庫で乾燥と熟成を行えるので、一年を通じて生産されています。

塗れるサラミの別名もあるほど、柔らかいのもンドゥイヤの特徴。
そのままパンに乗せるほか、パスタソースに使われたりします。暖めていただいても美味ですよ♪


2.ンドゥイヤの歴史
歴史については諸説あるものの、確実に遡れるのはナポレオンの時代(1800年ごろ)。
当時のカラブリア州はフランスの占領下でした。
彼らの拠点はPizzoにあり、ここにナポレオンの義弟のJoachim Murat-Jordy(ジョアシャン・ミュラ)が統治者として君臨。
この時期にフランス軍が持ち込んだフランス製サラミ「Andouille(アンドゥイッレ)」にカラブリア風味を加えて作られたのがンドゥイヤ(そういえば名前も似てる!)というのが定説です。

すでにこの地域で生産されていたサラミにフランス風味を加えて、再びカラブリア流の味付けをして出来上がったのがンドゥイヤ、というカンジ。


3.生産地
ンドゥイヤはカラブリア中西部のスピリンガ村(Spilinga。現地ではスピーリンガと発音)で生産されています。
なぜスピリンガなのか。
この村は君主のいたPizzo近郊で最も肥沃で豚の成育がよい土地柄。そして谷に面しているため、難しいンドゥイヤの熟成に向いていたのではないか。
さらに、ンドゥイヤ製造に欠かせない素材・唐辛子の特産地がお隣にあったから、というのが定説です。

ンドゥイヤに使われる肉の部位は同じながら、それぞれの家庭/工房でレシピが異なり、レシピは門外不出。このため、スピリンガ近郊の村ではンドゥイヤを作る文化すら最近までなかったとか。

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↑下段が熟成中のンドゥイヤ。長いもので3年熟成させます。

2000年ごろからカラブリア州各地で作られるようになってきたけれど、やっぱりンドゥイヤといったらスピリンガなのは、使われる豚肉の品質と、こだわりの唐辛子、つまり「味」の違いからかなーと思います。

++++

スピリンガ村があるのはカラブリア州ヴィボ バレンティア(vibo valentia)県。
近所にはカラブリア州の観光名所で赤たまねぎでも有名なトロペア(Tropea)などがあります。

La Terra del Soleでは、スピリンガのンドゥイヤ生産者、近郊のワイナリー訪問、チーズ工房訪問などをツアーとしてご案内しています。
特別に見学をお願いしているスピリンガの生産者は、熟成期間を通常以上おいた「デラックス版」ンドゥイヤも生産していて、これが。。。びっくりするほど美味なんだ(笑
豚肉を扱うので、もちろんほかの部位を使ったサラミ類も生産していて、工房見学の後はお楽しみの試食を実施!
気に入ったサラミをGetいただけますよ♪

スピリンガツアーのご相談/お問い合わせは→La Terra del Soleまでどうぞ

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村でただ一人。聖アントニオのパンを焼くシニョーラ

2016-06-19
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6月13日は聖アントニオの日。
この日のミサやこの週の週末のミサでは、祝福を受けたパン(Pane di sant'Antonio)が信者に振舞われます。
カラブリア州の山村・サンタドメニカタラオ(Santa Domenica Talao)で、この日の為だけにパンを焼くシニョーラは、なんと御年85歳。

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前日の早朝から、1人で小麦粉30kg分のパンを焼き上げられました。

家畜にも祝福を与えたとされる聖アントニオは農村地帯で特に信仰している人の多い聖人で、サンタドメニカタラオ村でも、この日のミサは遠方からも参列者が大勢押し寄せるのだとか。

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年齢とともにあちこち辛くなってきたシニョーラがパンを焼き続けるには理由があります。

シニョーラの子供がまだ幼児だった頃。
煮立ったお湯の中に落ちて、大やけどをしてしまったことがありました。
貧しくて医者に見せることができず、とにかく聖アントニオに回復祈願をしたんだとか。
やけどをした子は徐々に回復。その後、シニョーラは80年以上にわたり毎年、聖アントニオへの感謝の気持ちをこめてパンを焼き続けています。

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パン生地は手捏ね。(大きさ比較の為お嫁さん登場!)
この船形のMadia(マディア この地域の方言だとMailla(マイッラ))と呼ばれる木の容器に水と粉、酵母入れてコネコネします。
前かがみの重労働です。

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もちろん自家製の自然酵母使用。この村で伝わる酵母を更新しているのも、今ではシニョーラだけ。
ゆっくり2次醗酵させてからオーブンで焼き上げますが・・パン生地をオーブンへ移動させるのも重労働なんです。(お嫁さんがヘルプ中)

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使うのは火をおこすのも大変な昔のオーブン。
このオーブンで焼くと、ちょっとオコゲもついている風味が高いパンになります。

この村で、この方法で、さらにこの日のミサの為にパンを焼く人はシニョーラ1人となってしまったとか。
5人いるお嫁さんたちもそれぞれの生活があり、シニョーラのお手伝いをすることはあるもののパン焼きの修行までは時間が無いそう。
彼女がパンを焼かなくなったら、この村の聖アントニオの日のパンはどうなってしまうのか。。

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ご自宅とは別に建物内にオーブンを所有しているシニョーラ。
信者に振舞うパンを前に記念撮影させていただきました♪
座る椅子さえ無い貧しい時代を経て、6人のお子さんを育て上げられた優しいマンマです。

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↑お土産に、とひとついただきました♪

カラブリア州をご紹介する活動をする中で知り合う、すぐにでも失われてしまいそうな伝統文化。
La Terra del Soleの活動を通じ、今記録できるものはすべて記録しておきたい!と強く感じた出会いでもありました。

シニョーラのOKが出たので、近日中にこの村でのパン焼き工程を記録する予定です!

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今年も漬けたゾ・自家製リモンチェッロ

2016-05-02
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毎年恒例のリモンチェッロ作り。
今年はレモンの収穫が遅れ、4月末になってやっとシロップを足す作業を終了することができました。あと一ヶ月ほどで完成です♡
昨年の様子&レシピはこちらの記事をどうぞ。

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使うのは、北カラブリアの山村・パパシデッロの更に奥、Vitimoso(ヴィティモーゾ)産の超無農薬&Bioレモン。
車が通らない場所で栽培・・というか、「これ以上Bioのレモンがあったらお目にかかりたいわ!」と思わず強気になっちゃうほどスッゴイ場所で勝手に成育している木なので、亜鉛に汚染されている心配もなし!なレモンを使います。香りが違いますよ~♪

ここまでBioなのは結構レアです(笑

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皮をピーラで削いで、アルコールに漬けて成分を抽出したらシロップを足し、30日~40日置いて完成♪
今回は、皮を漬け込む作業を見学されたいグループさんを自宅にお招きしての作業となりました。
皮むいて漬け込むだけなんだけど。。。熱心に見学されていて、ちょっと緊張。。。

完成したリモンチェッロは、7月以降La Terra del Soleをご利用の方にお土産としてお渡しします。
(2lほど用意しましたが数に限りがあるので、お渡しできない際はごめんなさい。。)

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それにしても・・・毎度思うんですが、このカピカピになった「皮」って何かに再利用できないのかしら。
捨てちゃうのもったいないよーな気が(苦笑

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カラブリア州は辛いのが好き♡

2016-04-13
現在パレルモ在の食通でジャーナリストなSawabonさんをして

「カラブリア州は辛ブリア!! ©Sawabon」

と言わしめたカラブリア州。Sawabonさんのカラブリアの旅がどんだけ辛かったのか知りたい方は、クレアの記事こちらでどうぞ♪
まさに「辛ブリア」の名に恥じない、唐辛子王国です。

なんで唐辛子がこんなに沢山使われるのかについては、Sawabonさんのこちらの記事を読みませぅ。

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↑ある日の野外パーティの前菜の一つ。もちろん赤いです。辛いです。後ろでPaddyがふて腐れてますw

カラブリア州をご案内する私の団体・、La Terra del Sole唐辛子講座を開催しましたが・・・カラブリア州ではほんっとーに辛味にスポットが当たりまくりな食品が多いです。
でもカラブリアの辛さは、辛いだけでなくうまみがしっかり感じられる辛さで、意外と食べられちゃうんですよね。
ただ辛いだけのハバネロは苦手っていうカラブリア人が多いんです、実は。

実際、私もつい最近まで「カレーといったらカレーの王○様」派の、お子様もびっくりな甘党だったけれど、カラブリアの辛い食品は大抵平気。
カラブリアを代表する辛いサラミ・ンドゥイヤ ('dujaと書きます) も美味しく食べられます。

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レストランでもこのように普通に出てくるのが唐辛子。はさみ付きってのは久しぶりだったけどww
通常はパスタなどに好きな量を乗せていただくんだけれど・・ツワモノはお料理が出てくるまで生でかじってたりするんですよ(笑
どんだけ辛いの好きなんだ・・・。

《カラブリアでお買い物をする際の注意事項

特にサラミ屋さんなどでお買い物をする際、カラブリア人が「これって辛いけど・・大丈夫?」って聞いてきたら要注意。
カラブリア人が「これ、辛いよ?」と聞いてきた食材は、間違いなく激辛です。

イタリア語でTossico(この場合、猛毒とかそんな訳が付きます)な辛さで、普通の味覚の人は絶対食べられないから!
そんなもん売るなよーって思うけど、需要があるあたりが辛ブリアなんです・・。お気をつけくださいませ。

そんなことよりSawabonさんに座布団一枚持ってきて~♪

La Terra del Soleへのお問い合わせは→こちらから
Sawabonさんのブログは→こちらですよ~


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Cuddruriaddri。カラブリア州コゼンツァで12月8日に食べるもの。

2015-12-24
12月8日はImmacolata Concezione(無原罪の御宿り)という、宗教上大変重要な日で祝日。ざっくり説明すると、聖母マリア様がイエスを宿したとされる日。そしてクリスマスシーズン開始日でもあります。
イタリアではこの8日にクリスマスツリーを飾り付ける習慣があるんですが、カラブリア州コゼンツァではCuddruriaddri(←クッドゥルリアッドゥリと発音しますw)を食べる日でもあります。

クリスマスツリー出すだけでも結構重労働なのに、朝早くからCuddruriaddriの準備。。。さらにプレゼーペ(イエス誕生場面のジオラマみたいなもんです)も出さないと。
コゼンツァの12月8日の特に午前中はシャレにならない位忙しいのです(苦笑

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Cuddruriaddriはジャガイモと粉から作られる、揚げドーナツみたいな食べ物。
生地に少し塩をしますが、塩味・砂糖を絡めたDolceとしても食べられています。
お食事用に塩味を準備して、食後のDolceに砂糖を絡めたCuddruriaddriを食べるのがコゼンツァ流。揚げドーナツまみれになる8日の昼食・・(苦笑

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↑露店の様子。

カラブリア州の北部コゼンツァ県・クロトーネ県では普通に見かけますが、南部では食べる習慣のないところもあるみたい。同じカラブリアなのにね。こういった違いって面白い♪
さらにコゼンツァ県の一部では12月7日にのみ食べるとする地域もあるけれど・・基本的に祝日の12月8日の食卓を飾る食べ物っていう認識でOKみたいです。昔は8日にのみ作られていた、ある意味幻の一品(笑

現在では12月から1月末、場合によっては復活祭頃まで露店で手に入れることのできるストリートフードとしても人気があります。
コゼンツァの中心にはあちこちに露店が♪ 寒い中、揚げたてをはふはふするのって最高ですよ♡

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作り方は簡単。
ジャガイモと粉と酵母を混ぜて、ボール状にして醗酵させます。
倍くらいの大きさになったらOK。

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生地がやわらかいので、指先に油をつけながらドーナツ型に整えます。
他の事してたら過醗酵しちゃったけど、気にしなくて大丈夫(笑
形が多少崩れてもOKですよ~

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高温の油でさっと揚げます。
揚げ油はサラダ油推奨。オリーブオイルだと香りが強すぎるかなー。

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Dolceにするときは、揚げたて油をさっと切ってから砂糖の中へIn!
きな粉で作ってみたら和風なCuddruriaddriになって、なんだか給食の揚げドーナツな雰囲気に! 懐かしい~♪

お食事用に作る際は、塩漬けの小魚などを小さく切ったものを予め生地に入れておいたものを揚げます。(塩味なのでお砂糖は振り掛けません)
ジャガイモのおかげで外はさくっと、中はもっちりとした食感が持ち味。
揚げたてを食べるので、揚げ係りになっちゃうと大変ですが(笑)、コゼンツァ人にしてみると「これを食べないとクリスマスシーズンを迎えられない!!」という、季節を彩る一品でもあります。
露店で簡単に手に入るので自宅で作る人が少なくなってしまっているけれど、レシピを守っていきたい、コゼンツァの大切な郷土料理です。
そして。。実は『パパのお料理教室』での隠れた人気メニュー。
お酒のおつまみにもなるし、食後のDolceにもなるし、使い勝手の良いレシピなんですわ(苦笑

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ちなみに。クリスマスイブの本日(24日)のお昼ご飯にも登場率高し。
イブの夜はお魚ディナーなので、軽~く済ませたいランチはCuddruriaddriにするんだって。ということで、我が家も本日はCuddruriaddriでランチです。
え? 揚げドーナツが軽い料理??とかいう疑問は置いておく方向でお願いします。(笑

皆様、素敵なクリスマスを♡

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