村でただ一人。聖アントニオのパンを焼くシニョーラ

2016-06-19
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6月13日は聖アントニオの日。
この日のミサやこの週の週末のミサでは、祝福を受けたパン(Pane di sant'Antonio)が信者に振舞われます。
カラブリア州の山村・サンタドメニカタラオ(Santa Domenica Talao)で、この日の為だけにパンを焼くシニョーラは、なんと御年85歳。

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前日の早朝から、1人で小麦粉30kg分のパンを焼き上げられました。

家畜にも祝福を与えたとされる聖アントニオは農村地帯で特に信仰している人の多い聖人で、サンタドメニカタラオ村でも、この日のミサは遠方からも参列者が大勢押し寄せるのだとか。

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年齢とともにあちこち辛くなってきたシニョーラがパンを焼き続けるには理由があります。

シニョーラの子供がまだ幼児だった頃。
煮立ったお湯の中に落ちて、大やけどをしてしまったことがありました。
貧しくて医者に見せることができず、とにかく聖アントニオに回復祈願をしたんだとか。
やけどをした子は徐々に回復。その後、シニョーラは80年以上にわたり毎年、聖アントニオへの感謝の気持ちをこめてパンを焼き続けています。

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パン生地は手捏ね。(大きさ比較の為お嫁さん登場!)
この船形のMadia(マディア この地域の方言だとMailla(マイッラ))と呼ばれる木の容器に水と粉、酵母入れてコネコネします。
前かがみの重労働です。

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もちろん自家製の自然酵母使用。この村で伝わる酵母を更新しているのも、今ではシニョーラだけ。
ゆっくり2次醗酵させてからオーブンで焼き上げますが・・パン生地をオーブンへ移動させるのも重労働なんです。(お嫁さんがヘルプ中)

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使うのは火をおこすのも大変な昔のオーブン。
このオーブンで焼くと、ちょっとオコゲもついている風味が高いパンになります。

この村で、この方法で、さらにこの日のミサの為にパンを焼く人はシニョーラ1人となってしまったとか。
5人いるお嫁さんたちもそれぞれの生活があり、シニョーラのお手伝いをすることはあるもののパン焼きの修行までは時間が無いそう。
彼女がパンを焼かなくなったら、この村の聖アントニオの日のパンはどうなってしまうのか。。

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ご自宅とは別に建物内にオーブンを所有しているシニョーラ。
信者に振舞うパンを前に記念撮影させていただきました♪
座る椅子さえ無い貧しい時代を経て、6人のお子さんを育て上げられた優しいマンマです。

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↑お土産に、とひとついただきました♪

カラブリア州をご紹介する活動をする中で知り合う、すぐにでも失われてしまいそうな伝統文化。
La Terra del Soleの活動を通じ、今記録できるものはすべて記録しておきたい!と強く感じた出会いでもありました。

シニョーラのOKが出たので、近日中にこの村でのパン焼き工程を記録する予定です!

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